夢って不思議だね、こんなにある幻想物語

アウェイク ~引き裂かれた現実

文学作品として夢を題材にした三島由紀夫先生の豊饒の海だが、アメリカでも2つの現実、または夢を行き来するサスペンスドラマが放送されていた。それが 『アウェイク ~引き裂かれた現実』である。

物語あらすじ

ある日の夜、ロサンゼルス警察に所属している主人公マイケル・ブリテンは妻のハンナと息子のレックスとともに車に乗っていると、途中で車が道を踏み外して転落事故を起こしてしまう。

目を冷ましたマイケルが見たものは、息子のレックスが事故のせいで死んでしまったという、彼にとって信じがたい現実に直面してしまう。失意に暮れるマイケルだが、眠りに目を覚ました世界で、死んだはずの息子がそこにはいて、そこではなぜか妻が死亡した事になっていた。マイケルはそこで二つの現実が存在していることに気づき驚いてしまう。

それ以来、片方で眠るともう片方の世界で目が覚めるという生活を送るようになっていく。

彼にとっては両方の世界ともに、PTSDの疑いがあるとして、市警から定期的なカウンセリングを義務付けられてしまう。それぞれの世界のカウンセラーは、もう1つの世界が夢だと決め付けて受けていれてくださいと説得をするが、マイケルにとってはどちらも確かに存在している現実として、受け止めることなどできなかった。

どちらが夢で、どちらが現実と認めた瞬間、確実に大切な華族を一人失うことになるので、彼にはそれが耐えられなかった。

しかし2つの世界は全くの無関係ではないのか、片方の世界の事件に関するヒントが、もう片方の世界で見つかるという現象が頻繁に発生するようになる。ところがマイケルは捜査パートナーにはどうして事件の核心に近づけるのかという根拠を明かしていないため、捜査方法があまりにもエキセントリックな変化をしたことで、周りからは奇異の目を向けられてしまう。

2つの世界を経由して生活していくことで、それぞれの世界にも変化が起きる。ハンナが生きている世界では息子の死を受け止めて別の場所へ引っ越さないかと提案してくる。一方の、息子が存命している世界では、レックスは未だに母の死を受け止めきれず段々と荒れた生活を送るようになっていた。

阪奈から選択のこつを教えてもらって、息子に感心されたり、知りえたレックスの私生活についても親友や彼女のフォローなどを行なっていき、どうして本人でもないのにそこまで知っているのかと他人が訝しがるが、マイケル本人にとっては日常となっていた。

ところが両方の世界において、マイケルが知らないところでそれぞれ物語が展開していく。そもそものきっかけとなった交通事故が実に故意に起こされていたものだと、マイケルに悟られないようにしようとする者達が動き回っていた。

三島由紀夫は夢と転生の物語を…。

概要

物語の流れとしてはロス市警に勤めている『マイケル・ブリテン』刑事が妻と息子とともに交通事故に遭って以来、妻、あるいは息子のどちらか片方が存在していない2つの現実を行き来する物語となっている。どちらが現実で、どちらが夢なのか主人公のマイケルには判断することはできず、常にカウンセラーにどちらか1つを夢として受け止めるしかないと言われ続けてしまう。

2つの現実は眠りについて起きたときに切り替わるようになっている。

マイケルはそれぞれの現実で違う未来を築こうとするが、自分がどちらの現実にいるのかという混乱を抑えるために起きたときに赤いリストバンドと緑のリストバンドをつけるようになる。またスタッフも区別ができるようにあらすじを赤と緑のインクで書き分けて、視聴者にも分かりやすいように2つの世界では画面のトーンが『赤』・『緑』に色分けされている。これはパイロット版を監督した『デヴィッド・スレイド』が取り入れたスタイルとなっている。

本来は第2シーズンに向けて構成されていたが、内容と視聴率が比例しなかったために13話の1シーズンで物語りは打ち切りとなってしまう。

しかしそれに反して、作品自体の評価は極めて高く、各紙面においても多くの新聞・雑誌が作品の完成度に対して賞賛の声を出している。また、作品の打ち切りが本格的に確定しつつなると、熱心なファン達が『アウェイクを救え』運動を起こし、ブログやFacebookなどで運動参加を呼びかけ、Youtubeに運動参加表明を求めるビデオがアップされたが、残念ながら視聴者の願いが叶うことなく打ち切りは決定してしまう。

ゲームでも夢を題材に物語が…。

両世界の設定

二つの世界が存在することで、妻と息子のどちらかが生きているという他に、マイケルが行きつけているカウンセラーが性別が異なり、また操作パートナーとしても別人が担当していたりと、それぞれ微妙に異なっている。

マイケルが混乱しないように赤と緑のリストバンドをつけなければそれこそ区別がたまに付かなくなってしまうだろう。

ではここで赤と緑、それぞれの世界設定の違いを見ていこう。

赤いリストバンドを付けている世界の場合

  • 演出上、画面のトーンが暖色になっている。
  • 妻ハンナが生きており、息子レックスが死んでいる。
  • 捜査パートナーは、巡査から昇格したばかりのエフレム・ヴェガ刑事。往年のコンビだったフリーマン刑事は、他署に転勤している。
  • カウンセラーは、男性のジョン・リー医師。

緑色のリストバンドを付けている世界の場合

  • 演出上、画面のトーンが寒色になっている。
  • 妻ハンナが死んでおり、息子レックスが生きている。
  • 捜査パートナーは、長年コンビを組んでいるイザヤ・フリーマン刑事。ヴェガは巡査のまま。
  • カウンセラーは、女性のジュディス・エヴァンス医師。

このように、画面ノートンが既にそれぞれの世界を示すように赤と緑で分かれているのは視聴者が区別が付きやすいようにするためとなっている。

それ以外ではマイケルが長年刑事として捜査パートナーとして組んでいるイザヤ・フリードマン刑事かどうかということ、そしてカウンセラーが男性か、または女性かということが主だった違いとなっている。

お互いに共通している点というものがあり、それは主人公であるマイケルにとってはどちらも確かに存在している現実、ということだ。

どちらも等しく自分にとってはなくてはならない世界であり、カウンセラーからどちらかの世界を夢として断定してしまえと岩手も切り離すことはできない、マイケルの夫として、そして父親としての群像がよく表現できている。

彼の家族も、息子が亡くなって悲しみながらも現実と向き合おうとするマイケルの妻・ハンナ、母の死を受け止めきれず父親とすれ違いの日々を過ごしている息子・レックスの子供でもなく大人でもない微妙な思春期、この二つの世界を行き来する二人をマイケルはサポートしていく。

これを見るに、続編を望む声が上がったのも頷けるというものである。

登場人物

さて、登場人物について紹介していこうと思うが、赤と緑、そして両方の世界とそれぞれ登場する人物も異なってくるので、順々にそれぞれ紹介していこう。

両方存在する

  • マイケル・ブリテン刑事 -演:ジェイソン・アイザックス
  • トリシア・ハーパー警部 -演:ローラ・イネス
  • エマ -演:ダニエラ・ボバディージャ
  • ドクター・バンクス -演:クリス・マクギャリー
  • エド・ホーキンズ刑事 -演:ケヴィン・ワイズマン

赤の世界にのみ存在する

  • ハンナ・ブリテン -演:ローラ・アレン
  • エフレム・ヴェガ刑事 -演:ウィルマー・バルデラマ
  • ジョン・リー医師 -演:B・D・ウォン

緑の世界のみ存在する

  • レックス・ブリテン -演:ディラン・ミネット
  • イザヤ "バード" フリーマン刑事 -演:スティーヴ・ハリス
  • タラ -演:ミカエラ・マクマナス
  • ジュディス・エヴァンス医師 -演:チェリー・ジョーンズ